2007年10月27日土曜日
emeЯpus ver.2.0 『PUPA』
黄昏の神に成り代わり
私が語り継ぎましょう。
あなたの意思を曲げてまで
手に手を取り
世界を救った二人の物語を―。
彼の前に降り立ったのは、いわゆる“キューピッド”だった。
その姿には不釣合いな弓と、かつて英雄であった大天使が封印された矢を従えた彼女はこう呟いた。
「私、貧乏なんです・・・。お金を・・・貸して下さい」
同じ頃、何者かの侵入を許した天界は、未曾有の混乱に陥っていた。
神の間を守護する長の前に現れたのは、
かつてこの世界を破滅に追いやった
―そう称するにはあまりに美麗な翼を広げ、
優雅な微笑みを浮かべ鈍色に光り輝く―
復讐の堕天使だった。
この夜が、
胎動する破滅が目覚めた刻だったことを、
やがてそれに巻き込まれる悲劇を、
二人はまだ知らない。
とりあえず彼は、恐喝するキューピッドに金を貸すために、
財布があるはずのポッケを探ったのだった。
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